量産型腐女子、リアコになる
よくある話かと思いますが、腐女子だった私が、舞台俳優にハマったきっかけを書きます。
私は中学時代からBLが好きでした。高校時代はアルバイトをして同人誌を買い漁り、大学入学とともに同人活動をはじめました。仕事の都合などで途切れつつも、つい最近まで続けていた趣味です。
ドピコサークルでしたが、同人活動は楽しかったです。アンソロを作り、妄想しながら酒を飲み、オフ会を企画し仲間と騒ぐ。ジャンルは転々としましたが「攻と受を幸せにしたい」そればかりを考えていました。生活の中心はBLであり、受と攻の幸せこそが私の幸せでした。ずっとこんな時間が続いていくんだろうなあと思っていました。
2年程前、不埒な妄想ばかりのタイムラインに、キラキラした生身の男性の写真が流れてきました。当時同人活動をしていたアプリの舞台化が決まったようでした。
「んなことせんでいいから、早くアニメ化進めろよ!」というのが正直な感想でした。今思うと古い考えなのですが、愛する二次元の世界を汚される気がして、舞台化には反対でした。
※食わず嫌いではなく、2.5次元舞台は何度か見たことがあったのですが「やっぱり二次元がいいな~」という感想しか抱けませんでした。
加えて、私の好きなキャラは二次元だから成り立つ変人キャラ。どうなるのか不安しかありませんでした。
そんな私の不安とは裏腹にTLは連日お祭り状態。抽選結果に一喜一憂し、キャラビジュが公開されれば大騒ぎ。なんとなく私も「一回くらい観に行ってみる?好きなキャラを演じる役者さんも若くて綺麗な方だし」と軽い気持ちで抽選に応募しました。
すごい倍率だと噂には聞いていましたが、もちろん落選。ライブビューイングのチケットしか取れませんでした。
ライビュなので関東に住んでいるオタク友達とは行けません。関西にいる子たちは劇場に見に行くようです。という訳で、私は腐には全く興味のない、Jオタの友達を誘うことにしました。
迎えた当日、私はサイリウムをカチカチと押して色の順番を覚えていました。ライブシーンがあると聞き(アイドルものの原作だからね)Amazonで買った安物です。
そしてライブビューイングがはじまりました。
全く期待していなかったのに、この舞台がね、めちゃくちゃ面白かったんです。
アプリでは再現できないライブシーンがあったことが大きいのかな、と思います。愛するキャラ達は、こんな風に歌って踊るんだろうなと思うと感慨深かったです。でもそれだけじゃなく、私は一人の俳優さんにずっと釘付けでした。その俳優さんが一番キラキラと輝いて見えて「あ~!ずっと見ていたい」と思いました。
それから、その俳優さん(ファースト推しと呼ばせてもらいます)が出演する舞台に通い始めました。苦手だったはずの2.5がどんどん好きになりました。舞台だけではなくハイタッチ会や個人イベにも足を運び、幸せな時間でした。
しかし1年くらい経つと、何だか物足りなさを感じるようになってきました。(これは彼が悪い訳ではなく、私の好みの問題かと思います)上手く言えないのですが…ファースト推しは照れ屋さんなのか何なのか、カテコで冗談を言うことが多い。それが彼の魅力と言えばそうなのかもしれませんが、時折スベっているように感じるようになりました。あとは気持ちを文章にまとめるのが苦手なのか、はたまた面倒くさいのか、SNSやブログをあまり更新をしない。 自分の気持ちを伝えてくれることが少ないことに、寂しさを感じるようになりました。
あとは私がパンドラの箱を開けてしまったのも、原因の一つでした。
「推しの名前 彼女」というワードでの検索です。2ショットなど確定的なものはありませんでしたが「あ~こりゃ付き合ってる(もしくは付き合ってた)な」と感じる写真を見てしまいました。この頃の私は、まだリアコではありませんでした。だから彼女がいることがショックという訳ではなく、どちらかと言うと「プロとしてどうなんだろう」というガッカリした気持ちになりました。
私は個人イベントを最後にして、彼を追いかけるのをやめました。ただ、舞台を見ることは趣味の一つになったので、これからはゆるく気になる舞台を見に行こうと決めました。
その数ヶ月後、現推しくんは私の心をかっさらっていきました。ファースト推しくんに抱いていた想いよりもずっと強くドロドロとした感情が渦巻き、私は気付けばピンク色の沼で身動きがとれなくなっていました。
好きになったきっかけは、友人に誘われて観劇した某舞台。
この舞台ですが…トラブルがありました。メインキャラを演じる俳優さんが前日の公演中に怪我をしたため、その日は声のみの出演になったのです
その俳優さんが演じるキャラと現推しくんが演じるキャラは師弟関係で、二人のバトルが舞台の見せ場でもありました。突然の発表に「え?どうするの?成り立たないじゃん」と不安を感じていました。当日は台風がきていたこともあり「払い戻ししてるらしいけど、どうする」と友達に相談するようなモチベーションでした。(すみません)
そしてはじまった舞台。迎えた殺陣シーン。現推し(となる彼)はエアーと戦っていました。本来なら二人で行うはずの殺陣を一人で行う。声はあるものの、観客から見えるのはただの煙。それでも何とかカタチにしようと奮闘する姿に、胸が熱くなりました。
推しくんの顔は、元々知っていました。何なら舞台で見たこともありました。「界隈でとても人気がある、少し童顔の俳優さん」くらいの認識だったのに、世界で一番かっこいい男性だと思いました。
そしてとても気持ち悪いことを言うのですが、顔も脇も全身汗だくになっている姿にドキドキしました。そういえば同人をしていたころから私は汗フェチでした。
知れば知る程、推しはパーフェクトな人でした。公演中には自撮りやキャストとの仲睦まじい写真をアップしてくれて、千秋楽やイベント後にはブログで飾らない素直な思いを伝えてくれる。ラジオでは、ファンからのコメントを見て楽しそうに笑っている。私が知る限りでは過去に彼女との写真が出回ったこともないし、匂わせ行動もしていないしされていない。
推しのことを考えると脳内がお花畑になり、同担が彼を好きだと言っているのを聞くと胸がずんと重くなるようになりました。いい歳してリアコ。戸惑いしかない。
今まで好きな男性芸能人を聞かれてもピンと来なかったのに、こんなことになるなんて思いもしなかった。
オタク友達には推しのことは秘密にしています。推しを男性として好きになってしまった自分の話をするのが恥ずかしすぎるので、隠し続けるつもりでいます。
前述したJオタの友達のみ、私の状況を知っています。ただ、たった一人の舞台仲間に話を聞いてもらうのも限界があるので、こうしてブログを綴っていこうと思う次第です。